ジェロニモ

日常を書き残しています。

幼馴染と猫

同い年の幼馴染がいる。


家が近所で親同士の仲が良かった。幼馴染はLGBTQのGで、親にカミングアウトして勘当されて以来、ずっと家を定めなかった。本当にフラフラしていた。手に職があるのと、何かの資産運用をしていたようでお金に困ることは無かったみたいだけど、本当にひと所に落ち着くということがなかった。基本的には幼馴染から今どこどこに住んでてこんな感じだよとか、話のついでに聞く。たまにうちに遊びに来るけど、わたしが幼馴染の家に行くことはない。


そんな幼馴染が家を買った。駅から少し歩くけど、状態のいい中古のマンションだ。どういう心境の変化なの?と聞くと、もう人間と暮らすのはやめて猫と暮らすことにした、と返ってきた。引越しと同時に保護猫を2匹引き取っていた。三毛はラン、ぶちはマスクと名付けていた。


幼馴染は恋に奔放な人で、いろんな人と付き合っていたが、いつもわりと酷く振られていた。男運がめちゃくちゃ悪い。双方の話を聞けるわけではないので、わたしはいつも聞くだけ聞いて意見みたいなことは何も言わないが、基本的にダメな男が好きなのと、あとは多分幼馴染が重いんだろうなあと思っていた。冗談だか本気だかは分からないけど「真実の愛を見つける!」と言って次々に恋人を作っていた。そうか、頑張りやといつも返事をする。幼馴染は「あんた本当そういうとこ!」と返す、ほぼ定型文。わたしは慰めることも寄り添うこともあんまり得意じゃ無いから、少し申し訳ない気持ちはいつもある。(なんでわたしに話すんだろう?)


猫は真実の愛なんか?と聞いたら、どうだろ、と返ってきた。人間を諦めたわけじゃないけど、家に僕と猫以外はいてもいなくてもいい。猫と自分の家で暮らしたくなったんよ。僕がいつか1人で死ぬことになったら、最後の猫だけよかったら里親を見つけてくれない?いいよ、わたしが死んでなかったらね。夫と息子にも頼んでおく。でも死ぬ時は死ぬ前に連絡しなよ。はいよ。とかいう、変な会話をした。


幼馴染は猫をどんどん引き取って、今4匹。ラン、マスク、サンカク、うめこ。それぞれお見合いをさせながら引き取ったからか、今のところうまく行っているようだ。5匹までなら引き取れるかなと話していて、「猫って狭くても飼えると思ってたけど、甘かった!中古で地方の一軒家を探すべきかも」と連絡が来た。

笑ってしまった。知っている幼馴染の中で、今が一番楽しそう。幼馴染がどうであれお前の人生だからなんでもいいけど、なるべく幸せでいてくれよなと思ってはいるので、わたしもなんかホッとしてる。


ところでわたしは猫アレルギーなんだよね。猫好きの猫アレルギー。幼馴染がいよいよの連絡が来た時、抗アレルギー薬を用意することを忘れないようにしないと。あと、わたしは幼馴染が死ぬまで家に行けないことが決定した。わたしたちの関係は変わらないけど、幼馴染は猫を飼って、家を買った。